北朝鮮スケート選手の妨害に、日本人選手「故意ではない」
20日に行われたピョンチャン(平昌)五輪の男子ショートトラック500mで、北朝鮮のチョン・グァンボム選手が見せたお粗末なパフォーマンスが忘れ難いのは転倒したからではない。
ライバルの日本人選手のスケート靴のブレードをつかんで、転倒させようとしたからだ。
予選最終組の第7組に出場したのは、韓国、日本、アメリカ、北朝鮮の4選手。
偶然にも朝鮮半島における現在の緊張に絡む因縁の4カ国の選手が顔を揃えたことになる。
4人のうちの最年少、16歳のチョン選手はスタート直後に転倒。
氷上に倒れたまま、腕を伸ばして、日本の渡邊啓太選手のブレードをつかんだ。
故意に転ばせようとしたのか、レースを止めようとしたのかは不明だ。
渡邊選手はチョンの手を振り払って滑り続けたが、レースはやり直しとなった。
再スタート後、チョンはまたもや渡邊に何度かぶつかった挙げ句に転倒。
アメリカのトーマス・ホン選手も巻き込まれてバランスを崩した。
チョンは失格となり、レースは続行されて、韓国の黄大憲選手が1位、渡邊選手が2位となり、準々決勝進出を決めた。
渡邊選手は、米ヤフー・スポーツとUSAトゥデーの取材に対し、故意の妨害ではないと疑惑を否定した。
「わざとではないと思う」「転んだとき、たまたま僕のスケートに手が当たった」だけで「とっさのこと」だと思うと話している。
アメリカのホン選手もチョンの転倒について妨害説を否定。
「接近し過ぎていたので影響を受けたが、ショートトラックには不測のアクシデントはつきものだ」と語った。