「はれのひ」“トンズラ”事件 呉服業界が「被害者の会」立ち上げ
振り袖の着付けや販売などを手掛ける業者「はれのひ」(横浜市中区)が成人の日を前に営業を取りやめ、晴れ着を着られなくなった新成人が相次いだ問題で、呉服業界が「はれのひ株式会社被害者の会」を立ち上げた。
まとめ役を買って出たのは業界誌を発行する「きものと宝飾社」(京都市)。9日は被害者からの相談が30件以上寄せられたという。
既に入金した来年、再来年の新成人救済も検討しており、趣旨に賛同した業者は15社に上っている。
松尾俊亮編集長は「信用を落とさないよう、業界全体でサポートしたい」と説明した。
一方、店舗があった自治体を管轄する神奈川県警や警視庁、茨城県警などには9日までに約380件の相談が寄せられた。
神奈川県警によると、1人当たり30万円前後の被害が多く、総額は数千万円に上るとみられる。
県警は詐欺容疑を視野に経営状況などを調べる。
一部の取引業者への支払いが昨年から滞っていたことも判明。
リース会社の関係者は、「はれのひの幹部が“6月の見本市で客の集まりが悪く、予約も取れていない。資金繰りが厳しい”と話していた」と明かした。