「防護服のよう」福島市設置の人形に批判相次ぐ
福島市の教育文化施設「こむこむ」前に市が設置した人形のモニュメント(高さ6・2メートル)に、住民らから批判が相次いでいる。人形が防護服姿のような格好をしていることが主な理由だ。
市側は「原発事故の風化を防ぐ」と趣旨を説明するが、「新たな風評被害につながる」との声も少なくない。
木幡浩市長は13日、「市民などの意見をよく聞いて取り扱いを検討する」と発表した。
人形は現代美術家のヤノベケンジさんが制作した作品「サン・チャイルド」。
黄色の防護服のような服を着た少年像で、胸元の放射線測定装置は「000」と表示している。
木幡市長は7月6日の記者会見で、「放射線量ゼロの環境で、防護服のマスクを外した男の子がほほえむものだ。復興・再生する希望をイメージしている」と歓迎した。
ところが今月3日の除幕式後、市には「福島市が、防護服が必要なほど汚染された地域だったと誤解される」、自然界にはもともと放射線が存在するため「線量ゼロにはならず、現実離れしている」といった批判が、インターネットや電話、メールで多数寄せられた。
批判を受け、木幡市長は13日、取り扱い方針を発表。
ヤノベケンジさんも10日、「衣装は甲冑であり宇宙服のようなイメージ。胸のカウンターは『原子力災害がない世界』という象徴的な意味」とコメントした。