奈良署は２９日、ＪＲ奈良駅の駅前広場で、２人でわいせつな行為をしたとして、公然わいせつの奈良疑いで、奈良県大和郡山市の男性会社員（５５）、奈良市の女性飲食店従業員（７１）を逮捕した。男性会社員は容疑を認めているが、女性従業員は「覚えていない」と話している。２人は事件当日が初対面だったという。

　５５歳男と７１歳女のたそがれカップルが、公共の場所でのハレンチ行為で逮捕された。逮捕容疑は２９日午前１時１５分ごろ、駅前広場のベンチで、男が下半身を露出し、女性が触れるなど、２人でわいせつな行為をした疑い。

　奈良署によると、この日、男は酒を飲んで帰宅しようとしたところ、終電に乗り遅れたため、徒歩でＪＲ奈良駅に到着。タクシーで帰ろうか思案していたところ、近くのベンチに座っていた女性従業員と出会ったという。

　もちろん、２人はこの日が初対面。女も酔っていたことから、どちらからともなく会話を切り出したという。男は「話をしていたら仲良くなった」と供述。意気投合した２人は次第に親密になり、ボディータッチをするなどイチャつき始めた。

　お互いよほど気が合ったのか、行為はますますエスカレート。男が下半身を露出し、わいせつ行為に及んでいるところ、通りがかりの男性が発見。近くの交番に通報した。

　同署は「現場は深夜で電車がなく、閑散としていた」としながらも、「隠れてやっていたわけでもない」と説明。タクシー乗り場付近の目に付きやすい場所で行為に及んだことを問題視し、詳しい事情を聞いている。男は容疑を認めているが、女は「覚えてない」と話している。

　男は奈良の名産として知られる「柿の葉寿司」を製造・販売する老舗の会社に勤務。逮捕前日の２８日は大阪市内で業務にあたっており、変わった様子はなかったという。同社は「仕事にまじめな人で、会社に入って１０年くらいになるが無断欠勤など一度もなかったので驚いている。ご迷惑をかけて大変申し訳ない」と、陳謝した。

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