ネット上でひろがる「まさお」ロス 金正男氏暗殺に悲しみの声
殺害された金正男氏について、日本のインターネット上では悲しみの声が続々と上がり“まさおロス”と呼ばれている。
日本語読みして「まさお」、「マサオ」と呼び、死亡が報じられた14日以降、「俺たちのまさおが…」「まさおおおおおお!」などと名前を連呼したり、死亡のニュースを信じたくないとの思いから「殺されたのは影武者で、今マサオはディズニーランドにいる」などと書き込む人も。
正男氏の存在が日本で広く知られるようになったのは2001年。
偽造パスポートを使って来日。「東京ディズニーランドに行きたかった」と理由を話したことや、愛嬌ある風貌に驚いた人が多かったようだ。
テロ事件も起こし、日本では拉致事件を繰り返した北朝鮮。
その独裁国家の後継者になるべき長男だったが、日本のテレビ局の取材で「日本語は分かるか?」と聞かれ「ワカリマセン」と日本語でユーモアたっぷりに答えたり、「三代世襲には反対だ」「弟(正恩氏)を嫌いになれるはずがない」など考えを語っていた。
人懐こい笑顔が「100万ウォン(約10万円)の笑顔」とも呼ばれた正男氏だが、どこから生活資金を得ていたのかは謎が残るとされ、IT事業や武器の取引などを手掛けていたなどと、さまざまな情報があり、裏の顔は分かっていない。
だが、後継者に選ばれず、堂々と体制を批判したこともネット上で勝手に応援される要因になったとみられる。
「北朝鮮を変えられるのはマサオしかいない」などと期待する声も上がった。
テレビ局関係者は「独裁国家のトップになればどうなったか分かりませんが、テレビカメラに映っていた通り、取材にも笑顔で丁寧に応じる人でした」と振り返った。