高橋まつりさんの母「電通を信じられない」
大手広告会社「電通」の違法残業事件の裁判で、電通側は起訴内容を全面的に認めた。
裁判のあと、自殺した高橋まつりさんの母親が会見し、「にわかに電通を信じられない」などと語った。
法人としての「電通」は、新入社員の高橋まつりさんらに違法な長時間労働をさせた、労働基準法違反の罪に問われている。
22日の初公判で「電通」の山本敏博社長は起訴内容を全面的に認め、「まつりさんの尊い命を失ってしまったことに極めて重い責任を感じている」などと述べた。
一方、検察側は、「会社の利益を優先して労働者の心身の健康を顧みない姿勢が引き起こしたものだ」と指摘し、罰金50万円を求刑した。
裁判を傍聴した母親の幸美さんが、会見で心境を語った。
高橋幸美さん「電通が長年行ってきた社員に対する法律違反が明らかにされ、裁かれたことは複雑な心境ですが感慨深いものがありました。山本社長は本日、公訴事実を全て認め反省とおわびの言葉を述べ、『新しい電通をつくる』との決意を述べられていましたが、遺族としてはにわかに今日の社長の言葉を信じることはできません。現在の社長にいくらこういう表明されたり謝罪を述べられたとしても、娘が帰ってこないのは変わらないので、本当に複雑な気持ちでいます」
判決は来月6日に言い渡される。