中曽根元首相 27日で100歳「深い感慨」、歴代首相2位の長寿
中曽根康弘元首相が27日、100歳の誕生日を迎える。歴代首相では、故東久邇宮稔彦元首相の102歳に次ぐ長寿。
談話を発表し「来年は新たな元号も始まる。(大正から)4代を生きることに深い感慨を覚える」と喜びを語った。
若手時代に「憲法改正の歌」を作詞するなど、政治家として一貫して自主憲法の制定を目指した。
引退後も精力的に活動。「世論の喚起とともに真に国民参加となる憲法の実現を目指し、真剣に取り組むことを期待する」と訴えた。
首相として「戦後政治の総決算」を掲げ、国鉄など3公社の民営化や当時のレーガン米大統領と「ロン・ヤス」と呼び合う関係を築くなど各方面で手腕を発揮。戦後5位の長期政権を築いた。
「日本の再興再建のため働くことができたのはこの上ない喜び。政治家は常に歴史法廷に立つ被告人であるとの思いで精励努力を重ねてきた」と振り返った。
長寿の秘訣は「規則正しい生活」と「森羅万象への関心」。昨年は祝う会が開催されたが、今年は関係者によると都内の自宅で親族と静かに祝うという。
首相退任前の句「暮れてなお命の限り蝉しぐれ」の思いは変わらず「国家国民、郷土のため精進努力を重ね最後のご奉公に努める」と決意表明した。
◆中曽根 康弘
1918年(大7)5月27日生まれ、群馬県高崎市出身の100歳。東大卒。内務省に入り、45年海軍主計少佐で退役。47年衆院選に立候補し初当選。防衛庁長官、通産相などを歴任し、82年11月に首相就任。87年11月まで務めた。2003年政界引退。