大麻使用経験133万人「ある」有機溶剤上回り、乱用薬物で最多
大麻を使用した経験がある人の割合は1・4%で、15〜64歳の人口に換算すると推計133万1765人に上ることが17日、国立精神・神経医療研究センターによる全国調査で分かった。シンナーを含む有機溶剤を初めて上回り、乱用薬物では最多となった。
有機溶剤は1・1%で、前回から0・4ポイント減。3位は前回から横ばいの覚醒剤(0・5%)だった。
大麻は若年層に使用を容認する考えが広がり、前回調査から0・4ポイント(約38万人)増と伸びが際立っていた。規制強化の危険ドラッグから移行する流れがあるとみられる。
野外の音楽イベントなどで高校生らがやりとりしていたケースもあり、警察による大麻事件の摘発者も昨年3000人を突破した。
薬物乱用の全国調査は1995年から隔年で実施。今回は昨年9〜10月、15〜64歳の5000人を対象に調査票を配布し、2899人から有効回答を集めた。使用経験は自己申告のため、実際の経験者はさらに多い可能性がある。
調査を担当した同センター精神保健研究所の嶋根卓也研究室長は「若年層への浸透は想像以上。この世代への乱用拡大が懸念される」と分析している。