予防薬の投与、施設職員のみ…インフル7人死亡
兵庫県淡路市(淡路島)の養護老人ホーム「北淡荘」で、入所者らがインフルエンザに集団感染し、7人が次々と亡くなっていた。予防薬を当初は職員にしか投与しないという対応のまずさも発覚し、施設は釈明に追われた。
「感染者には食事も個室でとらせていた。なぜこんなに蔓延したのか……」
21日夜、北淡荘で取材に応じた山田正司施設長は厳しい表情を見せながら、集団感染の経緯を説明した。
施設では、インフルに感染した入所者で初めて死者が出た11日に県が立ち入り調査を行った際、発症していない人にも予防薬を投与するよう県から指導されたが、この時は入所者に投与していなかった。浜田浩幸施設部長は、その理由について「過去に感染があった時、職員だけに予防薬を飲ませる措置をしたので、今回もそれでいいと勘違いした」と話した。
発症していない入所者に予防薬が投与されたのは、17日の2度目の立ち入り調査後だった。北淡荘では入所者と職員が全員、昨年11月にインフルの予防接種を受けていたが、集団感染を止めることはできなかった。