１０月に開場する豊洲市場（東京都江東区）に整備予定の観光拠点「千客万来施設」の着工見通しが立たない問題で、運営事業者の万葉倶楽部（神奈川県小田原市）は２５日、着工遅れの原因は都にあるとして小池百合子知事に謝罪を求めていることを明らかにした。

都は万葉に対し、事業実施の意思を２５日までに明確にするよう文書で求め、この日も都幹部が同社を訪ねて協議した。
しかし、万葉は豊洲移転後の築地市場（中央区）の跡地再開発の内容が明らかにならないと判断できないと、従来通りの回答だったという。

小池知事は２５日夜、関係局長を集めて会議を開き、近く副知事に万葉を訪問させ、再開発の検討状況を説明すると表明した。
小池知事は会議終了後の取材に「今後も理解いただけるように努力を重ねる」と話し、万葉が求める謝罪については「謝罪といってもどの点なのか。まず副知事が伺うことで真摯に対応したい」と述べるにとどめた。

万葉は２０１７年６月に小池知事が築地跡地を「食のテーマパーク」などに再開発する構想を公表したことに反発。事業内容の競合を懸念し、撤退を示唆していた。

千客万来施設は当初の計画では１７年１月に建設工事に着手するはずだったが、小池知事が市場移転を延期したことで凍結された。