武漢市の邦人206人乗せたチャーター機が羽田到着
中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎を受け、現地に滞在する邦人206人を乗せた日本政府の全日空チャーター機が29日未明、武漢の空港を出発。
日本外務省によると、全員が日本国籍。搭乗前に検査を受け、新型肺炎の発症者はいなかった。退避第1陣で、羽田空港に同日午前8時40分ごろ、到着した。
政府は退避第2陣となるチャーター機を同日午後8時ごろ日本から派遣する方向で調整している。
日本政府が感染症のまん延を受けチャーター機を派遣したのは初めてとみられる。
政府はチャーター機に医師1人、看護師2人を含む医療チームを乗せた。機内で問診票を配り、全員の体温を測定して発熱がないかどうかチェック。
武漢では、支援物資のマスク約1万5千個や防護眼鏡8千個、手袋などを中国側に渡した。
帰国後、症状のある人は東京都の感染症指定医療機関に搬送する。
症状のない人も国立国際医療研究センターにバスで送り、全員を検査する。
陰性の場合でも2週間は外出を極力控えるよう強く求める。チャーター機の内部も消毒する。
武漢では28日朝の時点で約650人が帰国を希望しており、政府は希望者全員の早期帰国を目指す。チャーター機手配など調整を加速する構えだ。