クルーズ船の検疫作業連絡なく中断「ひどい対応」
横浜港で停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」での検疫作業は4日も続いた。
作業の手順や感染者に関する情報が速やかに伝達されていなかったことで乗客の間では混乱もあったという。
待機が長引いていることに「とにかく退屈」との声も聞かれた。
群馬県からクルーズに参加し、電話取材に応じた男性(63)によると、検疫は3日夜に始まり、4日午前3時すぎまで続いた。
この男性は客室で医療担当者の来訪を待ち続けたが、連絡もなく作業が一時中断されたため、妻とともに眠れぬ夜を過ごし「ひどい対応だ」と憤慨していた。
レストランは4日朝も通常通りバイキング方式の朝食を提供。職員らはマスクをしていなかったという。
横浜に近づくまで感染者情報を公式に伝えられていなかった乗客らは、家族からの連絡やニュースで大騒ぎになっていることに気付き、不安が拡大。
朝食会場では「質問票の提出や体温検査だけでなく、ウイルス検査までして白黒はっきりさせてから下船させてほしい」と訴える人もいた。
群馬県の男性は4日午前9時前に客室で検疫を受けたが、体温を測り、喉の痛みの有無を確認、質問票をチェックした程度で「1分もかからなかった」と話した。
4日の下船がなくなったため、この男性は午後は船内のジムで運動するなどして暇をつぶした。
岐阜県本巣市の男性(36)も取材に応じ「不満は退屈なことぐらい」とのメッセージを寄せた。
船内は自由に移動でき、交流会も開催されている。マスク姿の人は少なく、緊張感は広がっていないという。