クレーン大手のタダノ（高松市）は９日、米国子会社「タダノ　アメリカ　コーポレーション」の米国人の元副社長が、２０１０年から最大で約９００万ドル（約７億２千万円）を横領していた疑いがあることが分かったと発表した。
タダノは５月２１日付で解任し、現地の捜査当局に告発した。

タダノによると、元副社長は弁護士資格を持っており、法務を担当。
１０年１１月から１２年４月にかけて、実在しない訴訟の手数料など法務費用を不当に水増しし、架空の法律事務所に支払うなどして資金を不正に得ていた疑いがあるという。

ことし３月に同子会社から法務費用の大幅な上積みの要望を受けたタダノが不審に思い、費用の支払先の住所を確認。
事務所が架空であると判明し、不正に気付いたという。

タダノの担当者は「米国の法律費用は高いという思い込みがあった」と、発覚が遅れた理由を説明した。
「タダノ　アメリカ　コーポレーション」は、米国内でクレーン販売を手掛けている。

2012年6月9日 16時22分