絶滅危惧種をメルカリ出品 剥製でもアウト!全国で初摘発
ワシントン条約で絶滅危惧種に指定されている哺乳類「センザンコウ」の剥製をフリーマーケットアプリ「メルカリ」に出品したとして、警視庁東村山署は11日、種の保存法違反容疑で鹿児島市の自営業の男性(72)と、長野県上田市のアルバイトの女性(23)を書類送検した。
東村山署によると、センザンコウの出品による摘発は全国初。2人はそれぞれ出品しており、面識はなかった。
男性は「人からもらった」、女性は「自宅の倉庫にあった」と説明。いずれも容疑を認め「規制されているのを知らなかった」と供述しているという。
書類送検容疑は1月2日〜5月2日、センザンコウの剥製1体をそれぞれ7500円と1万円でメルカリに出品した疑い。
2人は剥製を「珍獣」「全長80センチくらい」などと宣伝して出品していたが、売却前にメルカリの運営会社が気付き出品を削除した。
センザンコウは、うろこを持つ哺乳類として知られ、今年1月から種の保存法によって譲り渡しなどが禁止されている。
同法では、希少野生動植物の生体だけでなく、種によっては剥製や標本、卵、牙などの譲り渡しも禁じている。
また、同署は11日、メルカリでこの男性から、マレーシアやインドネシアなどに棲息する絶滅危惧種のワニ「ガビアルモドキ」の剥製1体を3800円で購入したとして、同容疑で川崎市のアルバイトの男性(24)も書類送検した。
メルカリでは、今年4月に現金出品が相次ぎ、マネーロンダリングの温床になっているなどとして出品を禁止。
額面以上の価格で現金を販売したとして、出品者が出資法違反(超高金利など)の疑いで逮捕されたケースもある。
【センザンコウ】
アリクイに似た全長約1メートルの動物で、東南アジアやアフリカに棲息。夜行性で、日中は土の中や岩の間に作った巣で過ごし、夜間にシロアリやアリを長い舌で捕食する。アルマジロと同じように、危険を察知すると体を丸くし、身を守る習性がある。全身を覆ううろこは漢方薬の原料として高値で取引され、肉も高級食材として価値が高く、「世界で最も密売されている哺乳類」とされている。