まじめに働いても食べていけない…「国の恥だ」
フランス全土で15日、マクロン政権に抗議する大規模デモが5週連続で行われた。パリでは前週と同じ約8000人の治安部隊が警戒に当たった。
マクロン政権は5日、デモの引き金となった燃料税引き上げについて、2019年の実施断念を表明し、10日にはマクロン大統領が最低賃金引き上げなどの譲歩策を示したが、対応が不十分だとする人々がデモを継続している。
デモは毎週末にパリで大規模化する一方、郊外や地方では毎日、地道に行われている。
パリの北約80キロ・メートルの町ボーベでは14日、黄色のベストを着た約30人が幹線道路付近に集まった。
勤務先の休憩時間を利用し、毎日参加しているという飲食店員のシクラ・アナイスさん(28)は「まじめに働いている人間が食べていけないなんて、国の恥だ。政府は私たちの声を聞いてほしい」と憤った。
月給は約1200ユーロ(約15万円)で、月の後半は娘に食べさせるため自分の食事を抜くこともあるという。