最高速110キロ「問題なし」120キロも検討
東北自動車道・盛岡南―花巻南インターチェンジ(IC)間の上下線約27キロで、普通乗用車やバスなどの最高速度を100キロから110キロに引き上げる試行が今月で1年となった。同区間で死亡事故はなく、人身事故も1件のみだった。
岩手県警は今後も試行を続け、さらに120キロへの引き上げが可能かどうか警察庁などと協議する方針だ。
県警によると、2017年12月〜18年11月末の同区間の事故件数は73件。うち72件は物損事故で、前年同期比で26件の増となったが、大半が速度超過によるものではなく、担当者は「速度引き上げとの因果関係は低い」とみる。
人身事故は、10月の大型オートバイによる単独重傷事故1件で、2件減だった。
また、ネクスコ東日本が追い越し車線を走る車両の平均速度を調べた結果、上り線で約108・0キロ、下り線で約107・7キロとなり、試行前と大きな変化はなかった。
県警の速度超過の取締件数は345件で、前年同期(730件)の半数以下だった。
県警高速隊の三浦義明副隊長は「当初は重大事故発生件数の増加が懸念されたが、問題なく推移している」と話した。
速度引き上げは、規制速度と実際の走行速度との差を縮めて利便性を高めるのが狙いで、試行は静岡県の新東名高速道・新静岡―森掛川IC間に次ぎ、全国2例目。大型トラックやトレーラーなどは対象外で、80キロのままだ。