日大選手が顔出し、実名で監督、コーチからの指示を“赤裸々”告白「追い詰められて悩んだ」
6日に行われた学生アメリカンフットボールの試合で日大の選手が無防備な関西学院大選手に後方から悪質なタックルをして負傷させた問題で、加害者側の日大選手が22日に東京都千代田区の日本記者クラブで会見を行い、19日に辞任を表明した日大アメリカンフットボール部の内田正人前監督(62)からの指示について赤裸々に告白した。
当該選手は日大3年生。顔出しとともに宮川泰介選手(20)と氏名も名乗って弁護士2人同席で会見に臨んだ。
顔を出さないのでは謝罪にならないという本人、保護者の希望で顔出し、実名で臨むことに決めたという。
弁護士の説明に続いて、宮川選手はケガをさせてしまった関学大選手の被害者に対して謝罪。深々と頭を下げた。
そして、当該試合前の練習から外されていたこと、日本代表について内田監督から「お前は行っちゃダメだよ」と辞退するように言われたこと、当該試合について内田監督や井上コーチから「相手のクオーターバック(QB)を1プレー目で壊したら使ってやる」「秋の関学大戦で相手のQBが出なければこっちの得だろう」「坊主にして来い」など圧力があったことで「追い詰められて悩んだ」と振り返った。
精神的に追い詰められたその末に「ここでやらなければ後がない」と思って会場に向かい、「相手のQBを潰しにいくので使ってください」と出場を直訴。
「やらなきゃ意味ないよ」と念押しされて試合に出場し、関学大QBに悪質なタックルを見舞ったという。
それでも「いくら監督、コーチからの指示があったとはいえ僕がやってしまったことは変わらないので反省しています」とし、「監督、コーチについて僕がどうこう言うのは違うかなと思っています」と指導陣に“配慮”。
その一方で監督、コーチと自身の関係について「なぜですかと意見を言えるような関係ではありませんでした」「監督、コーチからの指示を自分で判断できなかった自分の弱さだと思います」と説明し、それだけ怖い存在だったのか?との質問には「はい」と力なく答えた。
高校から始めたというアメリカンフットボール。
「とても楽しいスポーツと思い、熱中していました。ただ、厳しい環境に身を置くことになってしまったので、何が原因か分からないですが、徐々に好きではなくなってしまった」とし、今後の自身と競技の関係について「僕がアメリカンフットボールを続けていく権利はないと思っていますし、続けていくつもりはありません」「今は考えられない」と競技から身を引くつもりであることを明かした。