天皇陛下、60歳の誕生日「もう還暦ではなくまだ還暦」即位後初の会見
天皇陛下は23日、60歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち、住まいの赤坂御所で即位後初めて会見し「天皇の一つ一つの公務の重みと、大切さを感じている」と即位後の約10カ月を振り返った。
「たくさんの方々から頂いた祝福の気持ちを糧に、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、象徴としての責務を果たすべくなお一層努めてまいりたい」と決意を新たに示した。
政府は4月以降、安定的な皇位継承に向けた議論を本格化させる。
陛下は制度に関する言及は控えたが、「公的活動を担うことができる皇族は以前に比べ、減少してきている。皇室の将来とも関係する問題だ」との現状認識を示した。
60歳の還暦を迎え「もう還暦ではなく、まだ還暦という思い」と笑顔を見せた。
適応障害で療養中の皇后さまについて、陛下は「いまだ回復途上」と気遣う一方、「即位以来、忙しい日々を送る中でも、公私にわたり良き相談相手となってくれている」と感謝を示した。
天皇誕生日は例年、皇居で一般参賀が行われるが、新型肺炎の感染拡大のため中止されたとあって「早期に収まることを願う」と話した。