１万円札１０枚を全て千円札に両替しようとした際、銀行側のミスで渡された１万円札１００枚を返還しなかったとして、占有離脱物横領罪に問われた大阪府東大阪市の無職男（３１）の初公判が１９日、大阪地裁（西野吾一裁判官）で開かれ、男は起訴内容を認めた。

検察側は懲役１年を求刑。
弁護側は「偶然に端を発した事件で計画性もない」と執行猶予を求めて即日結審した。判決は２７日。

被告は審理で「数日後に気付いた時はなぜこんな大金が入っているのか理解できなかった。返さなければと思ったが、当時は車中生活で、マンションの契約金などに使った」と述べた。

弁護人によると、被告は両替の理由を「日雇いの仕事でためたお金が１０万円になり、札束が見たかった」と説明したという。
起訴状によると、昨年１０月２７日、東大阪市内の銀行で両替を依頼した際、行員から誤って渡された１万円札１００枚を返還せず着服したとしている。

銀行など金融機関での両替は何度も確認を重ねることが多く、ミスが起こりにくいとされ、捜査関係者は「両替の間違い自体が珍しいので、罪に問われるのも珍しい」としている。