大震災、犬の心にも深い傷 ストレスホルモン5〜10倍 福島で保護17匹を分析 麻布大チーム
東日本大震災後に福島県内で保護した犬から、ストレスを感じると分泌されるホルモン「コルチゾール」が犬の通常の5〜10倍と高い濃度で検出されたと、麻布大(相模原市)のチームが11日付英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。
震災でペットも大きなストレスを受けたことを示す結果。
チームの茂木一孝准教授は「時間がたってもストレスが大きいままという結果が出て驚いた。犬は人との密接な関わりの中で過ごすのが幸せで、大震災で突然、飼い主との絆が断ち切られたのが影響しているのだろう」と話している。
チームは2011年5月と11月に、震災後に福島県内をさまよい同大で引き取った犬17匹の尿を分析。
震災前に神奈川県内の保護施設から引き取った犬8匹と比較したところ、福島の犬のコルチゾール濃度は神奈川の犬の5〜10倍だった。