熊本刑務所（熊本市）に服役中の男性受刑者（３５）が、刑務官から「死ね」などと暴言を吐かれるなどし精神的苦痛を受けたとして、国に慰謝料など約９６０万円の国家賠償を求めた訴訟で、熊本地裁（小野寺優子裁判長）は２３日、受刑者の請求を一部認め、国に慰謝料４０万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

判決によると、２０１３年３月、受刑者が刑務官を殴るなどして保護室に収容された際、別の刑務官が「カスが、死ね」と発言。
その後も、受刑者が粗暴な言動を繰り返す恐れがあるなどとして、監視カメラが設置された部屋に約７か月間収容した。

小野寺裁判長は発言を「人格権を侵害する侮辱に当たる」とし、カメラ室についても「反抗的な態度がなくなり、厳重な監視の必要性がなくなった後も３か月間、漫然と収容し続けたのは違法だ」とした。

熊本刑務所は「判決内容を精査し、関係機関とともに対応を考えたい」とコメントした。