SAでバスの前でしゃがんだ女性、はねられ死亡
年末年始の帰省ラッシュを前に、福島県警が高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)での事故に注意を呼びかけている。
同県内では3日、SA駐車場で女性が大型バスにはねられ、死亡する事故があったばかり。
「車が増える時期だけに、周囲をよく確認して歩いてほしい」と訴えている。
県警高速隊などによると、東北道の安達太良SA(本宮市)で3日に起きた事故では、47歳の仙台市の女性が発進直後の大型バスにはねられて死亡した。
女性はトイレ休憩で停車した別のバスの乗客で、降車直後に事故に遭ったとみられる。
はねたバスのドライブレコーダーには、バスの前で片膝をついてしゃがむ女性が映っていたという。
同SAでは事故後の14日、県警高速隊員らが「駐車場を歩く時は注意して」と呼びかけながら、シートベルト着用などを訴えるチラシを配った。
県警交通企画課によると、2012〜16年に県内SAとPAで起きた人身事故は22件(重傷1人)。
同課の伊藤健治次席は、SAなどの駐車場が広いため、降車後に歩く距離が長くなる上、歩く場所と車が走る場所が明確に区別されていないことが背景にあると指摘する。
さらに、「車から降りた人は長距離乗車から解放され、気持ちが緩みやすくなっている」と話す。
年末年始の混雑時は駐車場内の交通量が増え、事故が起きやすくなる。
さらに、運転手は駐車スペース探しに意識を取られるため、歩行者への注意が散漫になりがちだという。
「降車した後は、車の通り道で立ち止まるのを避け、周囲の車の動きに注意を払ってほしい。特に小さな子供がいる場合は一緒に行動して目を離さないで」と呼びかける。
東日本高速道路(NEXCO東日本)では、年末年始に混雑が予想されるSAやPAに交通整理のスタッフを置き、事故防止を図る。
混雑のピークは昼時のため、利用を前後にずらすことも一つの方法で、渋滞情報を伝える「ハイウェイラジオ」(1620キロ・ヘルツ)でもSAやPAの混雑情報を流すことにしている。