救出劇の女児「実在せず」 うわさ話が報道で広まる
メキシコ中部の地震で崩壊した学校で生き埋めになったとされた12歳の女児について、捜索に当たっていた海軍幹部は21日「実在しない」と明らかにした。
地元テレビ局は「フリーダ・ソフィアさん」の“奇跡の救出活動”として夜通し生中継していたが、虚偽のうわさ話が報道で広まった形で、国民的関心事は驚きの結末を迎えた。
生き埋めになっていたのは成人女性と確認され、既に死亡した可能性が高い。
地元テレビは地震発生直後の19日から21日にかけ、首都メキシコ市南部の学校崩壊現場で活動する救助隊の様子を詳細に伝え「フリーダさんは机の下に逃げ込んで助かった」などと報道。
海軍当局者の話として「フリーダさんが水を欲しがったのでホースで飲ませた」とも報じていた。
20日夜には救助隊員のガッツポーズに拍手と歓声が発生。地元テレビ局の記者は感激の涙を流しながら救出間近と伝えた。
しかし21日、学校側が同名の生徒は在籍していないと表明、当局が確認した。
当局者が未確認のうわさ話を記者に伝えて広まったとみられる。
この学校では生徒19人と大人6人が死亡した。