元職員に死刑判決「人間性のかけらもない」
神奈川県川崎市の老人ホームで3人を殺害した罪に問われた、元職員の男の裁判員裁判で、横浜地裁は自白の信用性を認め、男に求刑通り、死刑判決を言い渡した。
川崎市の老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」の元職員、今井隼人被告は、4年前、入居者の男女3人をベランダから転落させて殺害した罪に問われている。
検察側は死刑を求刑し、弁護側は「当初していた自白は捜査員の圧力により誘導されたウソの自白」などと無罪を主張していた。
22日、午後1時半から開かれた裁判で、横浜地裁は判決主文の言い渡しを後回しにし、理由から読み上げを始めた。
この中で、横浜地裁は、入居者3人の転落はいずれも今井被告による犯行だと認めた上で、争点となっていた捜査段階での自白については「実際に体験したからこそできる具体的な供述だ」と信用性を認めた。
その上で、「被害者を物でも投げ捨てるかのように転落させた人間性のかけらもうかがえない冷酷な犯行」だと厳しく指摘し、今井被告に検察側の求刑通り、死刑判決を言い渡した。