イルカの夜のパフォーマンス。幻想的な雰囲気に、親子連れやカップルが楽しんだ（仙台うみの杜水族館で）

仙台うみの杜水族館（仙台市宮城野区）が夏季限定で初めて導入した長期の夜間営業が好調だ。７月２１日の開始から、これまでに延べ３万５０００人超が来場した。カップルだけでなく、同館が予想していた以上に親子連れも多い。「１度ならず、２度３度」。そんな来場者も現れている。

展示室を入ってすぐにある幅１４メートル、水深７・５メートルの大水槽。日中は来場者でにぎやかだが、夜になるとジャズが流れ、ＬＥＤキャンドルがともる三つのテーブルにカップルなどが静かにたたずむ。同館は海をイメージしたカクテルも提供し、「大人の時間を過ごしたい」という来場者にも応える趣向をこらす。

同館は昨年から一晩限りの夜間営業を実施してきた。親子向けに昨年８〜９月、館内に１泊してもらい飼育員が生物の夜の生態などを説明するイベントを開催。昨年１０月には「魚を肴に」と銘打って、水槽で泳ぐ魚を眺めながら日本酒を飲み比べできる大人向けの企画も開いた。開館から今年で４年目を迎えた同館。誘客を広げる仕掛けが求められており、「仙台に夜の楽しみを増やそう」と長期の夜間営業に踏み切った。

通常は午後６時半までの営業を同９時まで延長。同５時から夜間営業とし、マンボウなど一部の水槽で照明を落として幻想的なムードを漂わせる。呼び物のイルカのパフォーマンスも特別プログラムを約３か月をかけて作った。青や紫の照明と音楽に合わせイルカが宙を舞う演出を求めて平日でも５００〜６００人が訪れている。
客席には親子連れも多い。同市太白区の会社員女性（２９）は今月上旬、娘（３）と仕事を終えた夫（３０）と７月末に続き、夜は２度目の来館。家族で日中にも時たま利用してきたが、「自分も夜の雰囲気を楽しみたいし、夜は涼しいので子供も安心。また来たい」と笑顔で帰って行った。

夜間営業は今月２６日まで。同館の和田淳太副館長（４７）は「昼と違う魅力にあふれる夜の水族館を、涼しさも味わいながら楽しんでいただければ」と話している。