「ながらスマホ」 事故を起こしてからでは遅い
スマートフォンや携帯電話を操作しながら運転する。「ながらスマホ」は、重大な事故につながる危険な行為だ。
川崎市で昨年12月、女子大生がスマホを操作しながら電動アシスト自転車を運転し、歩行中の女性に衝突した。女性は脳挫傷などで死亡した。
重過失致死罪で在宅起訴された女子大生に対し、横浜地裁川崎支部は先月、執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。この間、女子大生は大学を自主退学している。
片耳にイヤホンをして音楽を聴き、右手に飲み物、左手にスマホを持って運転していた。メッセージを送受信した後、ポケットにしまう動作に気を取られ、被害者に気付くのが遅れたという。
前方不注意に加えて、ブレーキをすぐにかけられる状態でなかったのも明らかだ。判決は「自転車の運転が人を死傷させ得るという自覚を欠いた、自己本位な運転態度だ」と、厳しく非難した。「ながらスマホ」への警鐘である。
被告は公判で、以前にもスマホを操作しながら自転車に乗ったことがあると語った。「ながらスマホ」の危険性について、あまりに無知だと言わざるを得ない。
「ながらスマホ」の自転車が歩行者を死傷させる事故は、昨年だけで45件を数える。今年6月にも、茨城県内でスマホを見ながらマウンテンバイクを運転していた大学生が歩行者の男性をはねて死亡させ、書類送検された。
自転車と歩行者の事故では、若者が加害者になるケースが多い。自転車通学者が多い大学や高校などの教育現場で、スマホを操作しながら運転することの危険性を教える取り組みを進めたい。
車やバイクを運転中の事故も後を絶たない。「ながらスマホ」の事故は昨年、1885件に上り、10年前の1・5倍に増えた。取り締まり数も年90万件を超える。
内閣府の昨年の世論調査では、運転中の「ながらスマホ」対策として、厳罰化や警察による取り締まりの徹底を挙げる人が多かった。啓発によって事態が改善されないようなら、道路交通法の罰則強化も検討すべきではないか。
スマホでゲームやSNSのやりとりを楽しむ人は多い。通話中より、画面に見入っている時の事故が増えているのはこのためだ。
歩行中のスマホも控えなければならない。他の人にぶつかる。つまずいて転倒する。熱中して駅のホームから転落する事故も少なくない。「ながらスマホ」の危険性を改めて認識したい。
川崎市で昨年12月、女子大生がスマホを操作しながら電動アシスト自転車を運転し、歩行中の女性に衝突した。女性は脳挫傷などで死亡した。
重過失致死罪で在宅起訴された女子大生に対し、横浜地裁川崎支部は先月、執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。この間、女子大生は大学を自主退学している。
片耳にイヤホンをして音楽を聴き、右手に飲み物、左手にスマホを持って運転していた。メッセージを送受信した後、ポケットにしまう動作に気を取られ、被害者に気付くのが遅れたという。
前方不注意に加えて、ブレーキをすぐにかけられる状態でなかったのも明らかだ。判決は「自転車の運転が人を死傷させ得るという自覚を欠いた、自己本位な運転態度だ」と、厳しく非難した。「ながらスマホ」への警鐘である。
被告は公判で、以前にもスマホを操作しながら自転車に乗ったことがあると語った。「ながらスマホ」の危険性について、あまりに無知だと言わざるを得ない。
「ながらスマホ」の自転車が歩行者を死傷させる事故は、昨年だけで45件を数える。今年6月にも、茨城県内でスマホを見ながらマウンテンバイクを運転していた大学生が歩行者の男性をはねて死亡させ、書類送検された。
自転車と歩行者の事故では、若者が加害者になるケースが多い。自転車通学者が多い大学や高校などの教育現場で、スマホを操作しながら運転することの危険性を教える取り組みを進めたい。
車やバイクを運転中の事故も後を絶たない。「ながらスマホ」の事故は昨年、1885件に上り、10年前の1・5倍に増えた。取り締まり数も年90万件を超える。
内閣府の昨年の世論調査では、運転中の「ながらスマホ」対策として、厳罰化や警察による取り締まりの徹底を挙げる人が多かった。啓発によって事態が改善されないようなら、道路交通法の罰則強化も検討すべきではないか。
スマホでゲームやSNSのやりとりを楽しむ人は多い。通話中より、画面に見入っている時の事故が増えているのはこのためだ。
歩行中のスマホも控えなければならない。他の人にぶつかる。つまずいて転倒する。熱中して駅のホームから転落する事故も少なくない。「ながらスマホ」の危険性を改めて認識したい。