ハラスメント保険、販売急増…慰謝料支払い備え
セクハラやパワハラなどで企業が従業員に損害賠償を請求された場合に備える「ハラスメント保険」の販売が急増している。
セクハラを告発する「#Me Too(私も)運動」の広がりなどを背景に、企業は職場のトラブルを経営リスクとして捉えている。
ハラスメント保険は、正式には「雇用慣行賠償責任保険」などと呼ばれる。
パワハラやセクハラ行為に対する管理責任や不当解雇をめぐり、企業や役員、管理職が従業員から訴えられた訴訟が対象だ。
損害賠償金や慰謝料、訴訟費用などを補償する。保険会社が企業に保険商品を提供し、保険料は企業が負担する。
例えば、上司からの度重なる暴言で退職したとして従業員に訴えられ慰謝料を支払った運送業者の事例では、約200万円の保険金が支払われた。
男性店長から長期間、体を触られるなどのセクハラを受けたとして女性従業員から訴えられ、慰謝料を支払った飲食店の事例では、約90万円の保険金が支払われた。