仁徳天皇陵、宮内庁と堺市が調査…外部参加は初
宮内庁と大阪府堺市は15日、日本最大の前方後円墳「大山古墳」(仁徳天皇陵、堺市堺区)の保存対策の一環として、今月下旬から12月上旬まで、共同で発掘調査を行うと発表した。
宮内庁は従来、歴代天皇や皇族の墓とされる陵墓への立ち入りについて、「静安と尊厳の保持」を理由に厳しく制限しており、外部機関を交えて陵墓を発掘するのは初めて。
大山古墳は5世紀頃に築かれた墳丘長約500メートルの墳墓。これを含む「百舌鳥・古市古墳群」は2019年の世界文化遺産登録を目指している。
日本考古学協会などは陵墓の公開を求める活動を続けており、議論が今後活発化しそうだ。
発表によると、墳丘を三重に囲む濠があり、調査は最も内側の濠に接した「第1堤」の護岸整備に向けた基礎資料の収集が目的で、第1堤の計3か所(各幅約2メートル、長さ約30メートル)を掘削する。
調査の結果、埴輪片などの遺物や遺構が見つかれば、より正確な築造年代などが把握できる可能性もある。現場の一般公開は行わないという。