国税庁が1103人と最多、障害者雇用の水増し
中央省庁による障害者雇用の水増し問題で、厚生労働省が設置した第三者検証委員会(委員長=松井巌・元福岡高検検事長)は22日、報告書を公表した。
不適切な計上は国の28行政機関で計3700人に上り、退職者を大量に計上するなど各省庁でのずさんな人事管理の実態が明らかになった。
報告書は「恣意しい的に解釈された基準で不適切な慣行を続けてきた。極めてゆゆしき事態」と厳しく指摘した。
この問題は、今年5月、一部の省庁で、本来は障害者にカウントできない職員を計上し、法定雇用率が水増しされている可能性が浮上。
厚労省が昨年6月時点の障害者雇用数について再調査し、弁護士や大学教授ら5人で構成する検証委が経緯などを調べていた。
不適切計上が最も多かったのは国税庁の1103人で、国土交通省629人、法務省512人と続いた。
国の指針では、障害者と判断するには障害者手帳や医師の診断書などが必要だが、不適切計上の総数3700人のうち93%にあたる3437人が手帳や診断書を所持していなかった。また、制度の対象外の職種を計上するなどのケースもあった。