鹿児島の老人施設6人死亡 介護職員は全員退職
鹿児島県鹿屋市の住宅型有料老人ホーム「風の舞」で、10月から11月半ばにかけて入居者6人が相次いで死亡していたことが21日、分かった。
8〜9月に介護職員8人全員が退職し、夜間は施設長がほぼ1人で対応していたという。
県は施設の運営に問題がなかったかどうか、老人福祉法に基づき立ち入り検査した。
施設側は県に対し、6人はいずれも病状が重く、病死だったと説明した。
県によると、今月上旬に外部から「施設内で死亡者が出た」との内容の情報提供があった。
情報を受けて9日に施設の聞き取り調査を、16日に立ち入り検査をそれぞれ実施した。
県は、死亡した日時や詳しい状況、入居者数などを明らかにしていない。
施設の定員は55人。県の立ち入り検査に同行した市によると、他に緊急性のある入居者はいなかったという。
県は検査内容を精査し、業務改善勧告などを検討するとしている。立ち入り検査の16日までに、介護職員は補充されていなかった。
厚生労働省によると、住宅型有料老人ホームは介護職員の配置基準に法律上の定めがないが、指針では夜間の介護や緊急時の対応などで職員を配置するよう示しており、県も同様の指針を示している。
施設が県に提出した資料では、7月1日時点で約40人が入居し、うち85歳以上が過半数を占めている。