流れ星衛星など7基搭載「イプシロン」打ち上げ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は18日午前、小型ロケット「イプシロン」4号機を鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げ、実証衛星1基を予定の軌道に投入した。
上空から特殊な金属粒を放出して人工的に流れ星を発生させる宇宙ベンチャー「ALE(エール)」=東京都=の衛星など、大学や民間企業など10機関による計7基の衛星を搭載した。
宇宙開発への民間参入を促す宇宙活動法が昨年11月に施行されて初めての打ち上げ。製作費が安く開発期間が短い小型衛星打ち上げへの需要が国内外で高まっており、JAXAは小型衛星の打ち上げに特化したイプシロンによる受注増を狙う。
人工流れ星は、高度390キロの軌道を周回する衛星から特殊な金属粒5〜20個を放出。60〜80キロの上空で燃え、流れ星のように発光する。イベントなどでの利用を見込む。
衛星はほかに、上空からセンサーで田畑の様子を捉え、作物の育成状況を把握する東北大の観測衛星など。JAXAの実証衛星1基には、中部大(愛知県)など6機関の実験装置が搭載されている。イプシロンが複数の衛星を載せるのは初めて。
イプシロンは機体点検の省力化や既存技術の活用で低コスト化を目指したロケット。費用は約55億円。主力の大型ロケットH2Aの半分程度だがさらなる低コスト化が課題で、将来的には30億円ほどを目指す。