昨年の密漁事件で押収されたウニ、アワビや、シュノーケルなどの道具類（小樽海保提供）

小樽海上保安部によると、２０１８年に管内で検挙した密漁事件は８１件と過去５年で最多となった。普通の市民が海水浴客を装ったり、海に遊びに来たついでに犯行に及んだりする“レジャー密漁”が後を絶たず、同海保は「少しだけのつもりでも漁業権を侵害する犯罪。高い罰金を科されます」と警告している。

小樽海保が管轄するのは北海道石狩市から島牧村までの海域。密漁は、札幌市近辺の住民が小樽市や積丹半島付近の海岸の磯場で行うパターンが多いといい、過去５年の摘発件数は１４年の２４件から増加が続いている。

１８年の品目別の件数（重複あり）と押収量は、ウニが５１件（５９０個）、アワビが３０件（４１１個）、イガイが１０件（１５３個）など。ワカメ、コンブなどの海藻類も計４０件（約６０キロ）に上った。本格的な潜水器具が必要となるナマコの密漁は、組織犯罪の摘発がなかったこともあって、３件（１５個）にとどまった。

検挙された計８２人（男７４人、女８人）は中高年が中心で、ほとんどは漁業と関わりのない市民。中には、アワビを１００個以上取った事例や、取り締まりを免れるため海上保安官のカメラを奪い公務執行妨害容疑で逮捕されたケースもあった。

漁業権侵害に対する罰則は、漁業法が「罰金２０万円以下」と定めているほか、道海面漁業調整規則にも「懲役６か月以下」などの規定がある。