旅客船セウォル号、天候次第で23日中に海面へ
韓国南西部、珍島沖で2014年4月に沈没した旅客船セウォル号の船体引き揚げ作業で、韓国政府関係者は22日、船体を23日中に水面に浮上させる予定だと明らかにした。
同国海洋水産省は22日、深さ約44メートルの海底に沈んでいた船体を同日午後までに約1メートル持ち上げ、船体は海底を離れたとした。
船体の状況を確認した上で、天候が良好なら船体をそのまま海面まで揚げる。
計画では海面付近まで達する時間は1日程度と想定していた。
同省当局者は、センサーやワイヤの巻き上げ距離から船体が浮上したと判断したが、若干傾いておりバランスを取る作業が必要だと説明。
潜水士が目視で確認を行っており、条件が悪ければ再び海底に降ろす可能性もある。
全体の重量が約8000トンの船体は左舷を下に横倒しになっている。
これを2隻の大型台船に設置した計66基のジャッキで海面付近まで揚げ、ドックに乗せて完全に浮上させる計画。
中国企業が作業を担当し、16年7月を引き揚げ目標にしていたが大幅に遅れていた。
事故では295人が死亡、9人が行方不明になった。遺族も22日、珍島を訪れて引き揚げの成功を祈った。
韓国最高裁は殺人罪で起訴された船長らの刑事裁判の判決で、過積載や操舵ミスが重なったことが転覆、沈没の原因とした検察の主張を退け、原因は未解明で船体を調べる必要があると指摘していた。
船体が引き揚げられれば、事故原因の解明が本格化する。