「騙されそう」思う人ほど詐欺遭わず…被害調査
だまされるかもしれないと心の中で思っている人の方が実はだまされにくい――。
特殊詐欺の被害を巡って、福島県警が実際に被害に遭った人と免れた人を対象に行ったアンケート調査でそんな傾向が明らかになった。
「だまされる人には、自分は大丈夫と過信している人が多くいるようなので、気をつけてほしい」と注意喚起している。
アンケートは、県警生活安全企画課が行った。
被害に遭った人では20〜80歳代の43人(男10人、女33人)、被害を免れた人では40〜90歳代の191人(男58人、女133人)が回答した。
それによると、特殊詐欺に対する意識については、「いつかはだまされるかもしれない」と心の準備をしていたのは、被害を免れた人では37%(71人)いたことが判明。
これに対して、被害に遭った人は2%(1人)だけだった。
「自分は絶対にだまされない」と回答した人をみても、被害を免れた人は53%(101人)にとどまったのに対して、被害に遭った人は91%(39人)に上っていた。
また、手口の認知度についても、被害を免れた人に比べて、被害に遭った人の方が知識が不足していたことが分かった。
例えば、現金自動預け払い機(ATM)に誘導して現金を振り込ませる「振り込み型」を「知っている」と回答したのは、被害を免れた人が76%(146人)いたが、被害に遭った人は42%(18人)。
直接現金を受け取る「手交型」や宅配便などで送金させる「送付型」でも、手口を知っていたのは、被害を免れた人が9〜7割だったのに対し、被害に遭った人は5〜4割にとどまった。
同課の担当者は「詐欺と疑う姿勢を常に持ち続けることが大事」と話しており、今後は、調査結果を基に家族を介して高齢者を中心に注意喚起を行って未然防止を図る。