金正恩氏「核戦力ほぼ完成」北朝鮮ミサイル映像公開
北朝鮮国営メディアは16日、中距離弾道ミサイル「火星12」の発射映像を報じた。
立ち会った金正恩朝鮮労働党委員長は核戦力完成の目標が「終着点にほぼ到達した」との認識を強調。「核弾頭の実戦配備」にも言及し、米国に対抗する抑止力構築を加速させる姿勢を示した。
一方、国連安全保障理事会は15日(日本時間16日未明)、非公開の緊急会合を開き、日本上空を通過した15日の発射を「挑発的」と非難、各国に制裁決議の完全履行を求める報道声明を発表した。
トランプ米大統領は「近隣諸国と全世界を完全に侮辱していることを再び示した」と非難。
日米韓は、北朝鮮が10月10日の党創建記念日を控え、米本土も射程内とされる大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」を太平洋に発射する恐れがあるとみて警戒している。
北朝鮮は9月15日朝、首都平壌からミサイルを発射し、北海道上空を通過し約3700キロ飛行した。報道はこれについて伝えたとみられる。
報道は、発射訓練では核弾頭の取り扱い手順も点検したと主張。金氏は「各種核弾頭の実戦配備に合わせ、手順を厳格に定めなければならない」と強調した。
核弾頭開発が実際にどこまで進んでいるのかは確認されていないが、核搭載ミサイルが運用段階にあると印象付け、米国の軍事行動をけん制する狙いもありそうだ。
金氏は米国との力の均衡実現を「最終目標」として提示。
「国連の制裁でわれわれを屈服させられると執着する大国気取りの国々が、いら立たしい」と述べ、中国やロシアを含む安保理の理事国を批判した。