ホテルに予約キャンセルの電話殺到…五輪無観客に「やるせない思い」
新型コロナウイルスの感染拡大で、東京都などの東京五輪競技会場が無観客となることが決まり、都内のホテルでは宿泊予約のキャンセルが相次いでいる。
体操やバレーボール、テニスなどの五輪競技会場に近い東京・有明のホテルでは、無観客が決まった8日夜以降、予約キャンセルの電話が殺到した。
今月23日から8月8日の五輪期間中、200室以上ある客室は7割ほどが予約で埋まっていたが、このうち100件超あった五輪観戦客の予約はすべてキャンセルされた。
このホテルでは昨春以降の感染拡大や往来自粛の影響で、客室の稼働率は一時、5%にまで落ち込んだ。検温や消毒などの感染対策を徹底し、五輪需要に大きな期待を寄せていた。
担当者は「感染拡大を考えればやむを得ないが、やるせない思いもある」と話した。
東京・浅草のホテルでも、20件超の宿泊予約がキャンセルとなった。コロナ禍で激減した宿泊客を取り戻すため、料金を通常の半額以下に設定。
夏の観光シーズンを前に客足は戻りつつあっただけに、男性支配人は「どれぐらいキャンセルが増えるのか想像がつかない」と、戸惑いを隠せない様子だった。