「社会に不安」富田林署逃走の樋田被告に懲役17年
2018年8月に大阪府警富田林署の接見室のアクリル板を壊して逃走し、加重逃走罪などについて有罪の部分判決を受けた無職樋田淳也被告(32)に大阪地裁堺支部(安永武央裁判長)は3日、「警察署の設備を壊して逃走し、社会に不安を与えた」として懲役17年(求刑懲役18年)の判決を言い渡した。
被告は加重逃走や強制性交の罪など計21件の事件で起訴され、堺支部はうち18件について裁判官だけで区分審理し、5月の部分判決で17件を有罪とした。
その後、強盗致傷罪など3件を裁判員裁判で審理し、この日は全体の量刑を含めた判決を出した。弁護側は控訴を検討するとしている。
安永裁判長は判決理由で「重大事件を犯した樋田被告が約1カ月半にわたり逃亡生活を続け社会に不安を与えたことや、逃亡中に万引などの罪を重ねたことは無視できない」と指摘。
「服役をくり返し、出所後も短期間で再犯に及び、不合理な弁解に終始して自分の犯行に向き合っているとはいえない」とし、更生可能性は低いと判断した。
判決などによると、強制性交容疑などで逮捕、勾留された富田林署で18年8月12日夜、接見室で弁護士と面会後にアクリル板を金属製の枠から脱離させて逃走。
その後、大阪府や香川県、愛媛県や山口県で自転車や食料品を盗むなどした。
自転車で日本一周旅行者を装いながら中四国を転々としたとみられ、逃走から49日目の18年9月29日、山口県周南市の道の駅で餅などを万引したとして山口県警に窃盗容疑で現行犯逮捕された。