東京五輪、21年に開催無理なら中止 IOC会長が意向
国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は20日、2020年夏の開催予定が新型コロナウイルスの感染拡大で延期された東京五輪について、21年に開催できなければ中止するとの意向を示した。英BBCのインタビューに答えた。
バッハ氏は「(専門家を)信頼し、(彼らの)助言に基づいて適切な時期に適切な決断をしなければならない」と指摘した。
東京五輪の新たな日程は21年7月23日から同年8月8日まで。バッハ氏は「世界が(東京五輪が開かれる)1年2カ月後にどのような状況になっているのか誰にもわからない」と述べた。
仮に新型コロナの影響が残っている場合は開催が難しいという姿勢を示したとみられる。選手や観客らの安全確保を最優先する構えをみせた格好だ。
東京五輪の6カ月後には北京での22年の冬季五輪が控える。バッハ氏は安倍晋三首相から、日本にとって21年夏が「(東京五輪開催の)最後の選択肢だ」と伝えられたことも明かした。
そのうえで「将来の五輪と重複することはできず、日本のパートナーたちの考え方は理解できる」と指摘した。冬季と夏季の五輪を同じ年に開く可能性を排除したとも受け取れる。
バッハ氏は「(東京五輪の)大会組織委員会でずっと3000人とか5000人といった(多くの)スタッフを雇用することはできない」と言い切った。
「毎年、主要なスポーツ(イベント)のスケジュールを変更するのは不可能だ。選手たちを不安なままにすることもできない」と強調した。