被災者の「かかりつけ医」に 日本の援助隊、毎日100人診察―ミャンマー地震
ミャンマー中部を震源とするマグニチュード(M)7.7の大地震は、発生から2週間以上が経過した。現地の医療ニーズが変化する中、日本から派遣された国際緊急援助隊の医療チームは、負傷者の治療に加えて地元の「かかりつけ医」に代わる存在として、被災地住民の健康を支えている。
3月28日に起きた地震は、第2の都市マンダレーなどに甚大な被害をもたらした。実権を握る国軍によると、これまでに死者3600人以上、負傷者5000人以上が確認された。医師や看護師ら32人で構成する日本の援助隊は、今月4日からマンダレーの仮設診療所で診察に当たっている。
団長の矢間秀行さん(57)=茨城県出身=によると、診療所を訪れるのは1日平均100人。活動開始当初は地震で負傷した人が半数以上を占めたが、現在は「地震後に耳が聞こえなくなった」といった日常生活での不調に関する相談も多い。背景には、地元の医師が別の被災地で活動するなどして不在という事情もある。
「信頼できる日本人に診てもらってよかった」と、被災者からは好評だ。マンダレーは第2次大戦中、ミャンマー(当時のビルマ)に侵攻した旧日本軍が拠点を置いた地。当時教わったという日本語で「ありがとう」と感謝の意を伝えた男性(93)もいた。
気温が40度を超える暑さが続く中、雨期に入り衛生状態の悪化が懸念されている。矢間さんは「現地のニーズはまだまだ高い」と強調。日本政府は11日、第2次援助隊の派遣を決めた。