検察「類例なき大量殺人」 弁護側「死刑選択許されるのか」―京アニ放火、量刑審理始まる
京都アニメーション第1スタジオが放火され、36人が死亡、32人が重軽傷を負った事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第17回公判が27日、京都地裁(増田啓祐裁判長)であり、量刑の審理が始まった。
完全責任能力があったとする検察側は冒頭陳述で「筋違いの恨みによる類例なき凄惨な大量放火殺人だ」と指摘し、「結果の重大性、計画性、悪質性、動機、遺族の処罰感情などを重視すべきだ」と述べた。
心神喪失か耗弱だったとして無罪か刑の軽減を主張する弁護側は「死刑を科すか判断する時が来ることを前提に審理に臨む必要があり、死刑の選択が許されるのか考えてほしい」と訴えた。
続いて被告人質問が行われ、青葉被告は弁護側の質問に「浅はかだった。後悔は山ほど残る」と語った。検察側には「被害者一人ひとりに顔、生活があると考えなかったのは考えが浅いと言わざるを得ず、他に方法がなかったのかと思う」と話した。
量刑の審理では遺族や被害者が意見陳述し、被害感情の受け止めについて改めて被告人質問が行われ、12月7日の最終論告と弁論、被告の最終陳述で結審する予定。