精神科病院で虐待、隠蔽 改正法で義務化の通報せず
岐阜県海津市の精神科病院「養南病院」で昨年10月、男性看護師が女性入院患者に暴行を加え、病院側が把握していたのに、昨年4月の法改正で義務化された虐待通報をしていなかったことが22日、関係者への取材で分かった。病院はこの看護師を自主退職とし、懲戒処分などもしておらず、取材に「『隠蔽』と受け取られてもやむを得ない」としている。
関係者や病院によると、昨年12月にも別の女性看護師が患者に乱暴に対応。それ以前にも看護師らによる不適切な言動が複数あったといい、県が調査している。
同病院は社会医療法人「緑峰会」が運営しており、ベッド数は176床。関谷道晴理事長は「通報義務のことが頭から抜け落ちていた。いずれのケースも重症患者が多い病棟で起きており、職員のストレスが強い。県の指導に従って再発防止策を進める」と話している。
同病院によると昨年10月、男性看護師が説明しても女性患者が何度も同じ行動を繰り返したため、看護師が腹を立て、患者を押し倒して首をつかむなどした。映像が院内のカメラに残っていた。