家出の若者にシェルター 「トー横」念頭、トラブル防止―こども家庭庁
こども家庭庁は、虐待や家族関係の悩みを抱えて家出した若者に対し、安全に過ごせるシェルターを提供する方向で検討に入った。東京・歌舞伎町の「トー横」に代表される繁華街に若者が集まり、事件に巻き込まれるのを防ぐ。予算を確保でき次第、事業に着手する方針だ。
こども家庭庁は、若者をシェルターで保護しているNPOや公益社団法人といった団体に補助や委託を行う仕組みを想定。これに関連して、現在、団体と保護されている若者の両方を対象に、支援内容やニーズを尋ねる実態調査も行っている。
家出した若者の中には、児童相談所に頼ったり一時保護所に入ったりすることに抵抗感を持ち、繁華街で過ごす人もいる。子ども政策の基本方針を示す「こども大綱」の中間整理では、「虐待などにより家庭から孤立した若者が支援を受けられるよう取り組む」と明記。こども家庭庁は、これまで行政の支援が届きにくかった若者に安全な居場所を提供するため、保護のノウハウを持つ団体と協力する。
トー横は歌舞伎町の映画館「TOHOシネマズ新宿」の周辺地区。昨年6月、トー横で知り合った少女にみだらな行為をしたとして、地区内で炊き出しなどを行っていた男が逮捕された。今年5月にはトー横で知り合った男子高校生への監禁致傷容疑で暴力団員の男らが逮捕されている。