「紀州のドン・ファン」元妻、殺人罪は9月初公判 和歌山地裁
2018年に「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家野崎幸助さん=当時(77)=を殺害したとして起訴された元妻須藤早貴被告(28)について、和歌山地裁は16日、殺人と覚醒剤取締法違反(使用)の罪を審理する裁判員裁判の初公判を9月12日に開くと明らかにした。
初公判を含め25回の審理を経て、判決は12月12日に言い渡す予定。
起訴状や捜査関係者によると、被告は18年5月24日、殺意を持って何らかの方法で致死量の覚醒剤を野崎さんに摂取させ、殺害したとしている。被告は捜査段階で黙秘していたとされ、裁判では野崎さん殺害を全面的に争う可能性がある。
金融や酒類販売業などで財を成し、女性関係を赤裸々につづった著書で話題を集めた野崎さんは、18年2月に被告と結婚。同5月、自宅で倒れた状態で見つかり、体内から致死量を超える覚醒剤成分が検出された。県警は21年4月、被告のスマートフォンの「殺害」「覚醒剤」といった検索履歴などを基に殺人容疑などで逮捕した。
被告は別の男性から現金計約2980万円をだましとったとする詐欺罪が分離して地裁で審理されている。検察側は懲役4年6月を求刑し、判決は9月2日の予定。