トランプ氏暗殺未遂 容疑者は父親のライフル使用 介護施設勤務 政治的な話はない
トランプ前大統領暗殺未遂事件で射殺されたトーマス・クルックス容疑者(20)が介護施設で働いていたことが14日(日本時間15日)、分かった。
米メディアによると、容疑者は事件現場から車で1時間ほどのペンシルベニア州ピッツバーグ郊外のベセルパークに住んでいた。22年に高校を卒業。現在は地域の介護施設に勤務していた。
高校時代を知る人は、成績優秀で、友人は少なく物静かな生徒だったなどと振り返っている。いじめられていたとの証言もある。
現在の勤務先の同僚は「彼は優しく、一緒に仕事をしてて楽しかった」などと話し、犯行に驚いている。職場で政治的な考えを話したことはないとの指摘もある。
容疑者は現在、共和党員として有権者登録しており、21年に民主党系団体に15ドルを寄付したこともあるという。父親は自由党員、母親は民主党員として有権者登録されている。
連邦捜査局(FBI)によると、容疑者は父親が合法的に所持していたライフルを犯行に使用。車内からは爆発物の材料とみられるものが見つかった。犯罪歴は現時点で確認されていない。FBIは単独犯とみて、携帯電話などの解析を急ぎ、動機などの解明を進めている。
一方、事件発生直前、地元の警察官が犯行現場の建物屋上にいた容疑者を目撃したが、対処できなかったことも分かった。CNNテレビが郡保安官の話として報じたところによると、集会会場の外に不審な人物がいるとの通報を受けた警察官たちが、屋根の上にいるのを発見。1人が縁まで登り屋上をのぞいたが、容疑者が振り向き銃を向けてきたため、身を隠すために手を離した。その後、容疑者がトランプ氏に向けて発砲したという。