ゾウ83頭やカバ30頭含む野生動物計723頭狩猟、住民の食料に 干ばつで食料不足のナミビア
干ばつによる食料不足に陥っているアフリカ南部ナミビアが26日、国立公園などに生息するゾウ83頭やカバ30頭を含む野生動物計723頭を狩猟し、住民に食肉として配布する計画を発表した。米紙ワシントン・ポストが29日報じた。野生動物の絶滅につながらないよう考慮した上で、食料確保の一助とする。
ナミビア政府は5月、干ばつを受け緊急事態を宣言した。国連は、干ばつがエルニーニョ現象の影響によるもので「過去100年で最悪」と指摘。ナミビアが食料備蓄の8割以上を放出し、国民260万人の約半数が食料不足にさらされているとした。
政府は、ゾウの数が増えすぎて人間との摩擦につながっているとも説明。自然保護区内の住民がゾウに殺されたケースもあった。計画ではシマウマ300頭やバファロー60頭なども対象で、既に約150頭を狩り、供給された肉の量は56トン以上という。
計画を担当する環境・森林・観光省は「干ばつで水資源などが不足する中、狩猟による頭数減で環境への負担を減らす必要がある」としている。