児童買春容疑で…逮捕時の八重樫容疑者

「カイト？　知ってますよ。『トー横』では有名人でした。『偽りでも愛されたい』みたいなクサいセリフで口説くのがやり方。誘われた子は大勢いますよ」
10月下旬の新宿・歌舞伎町。『TOHOシネマズ』付近の路上でたむろしていた未成年と思しき少女は、本誌記者の取材に気だるそうに語った。

「『TikTok』などのSNSを介して少女を誘い、ホテルやインターネットカフェに連れ込むのが八重樫容疑者の手口でした。10月に『V』という歌舞伎町のスカウトグループのメンバーが女性をアダルトビデオの仕事などに斡旋したとして逮捕されましたが、八重樫容疑者はこのスカウトグループともつながりがあったとされている。自身が誘い出した未成年の少女をグループに紹介・斡旋していたと見られています」（警視庁捜査関係者）

歌舞伎町『TOHOシネマズ』付近は最近、「トー横界隈」と呼ばれ、流行の発信地として未成年のたまり場となっている。
一方で、飲酒や薬物の過剰摂取が横行、未成年をターゲットとした買春などの犯罪行為も多発している。八重樫容疑者はそんな「トー横界隈」でカリスマ的な存在だったという。

◆逮捕後に人気者に

「トー横」に詳しいライターの佐々木チワワ氏が語る。

「八重樫容疑者は今年の春頃から『トー横界隈』の主要メンバーとして知られていましたが、英雄視され始めたのは５月に逮捕されてからです。『トー横から逮捕者が出た！』とSNSは盛り上がり、少女たちはむしろ『未成年でも関係を持ってもらえる』とますます憧れを抱くようになった。以降、八重樫容疑者は自分の名前でハッシュタグを作成して『TikTok』にダンス動画を投稿するなど、自身を盛んに売り出すようになりました」

実際に八重樫容疑者のSNSを見てみると、投稿には <可愛い> <貢ぎたい> といった理解し難いコメントが殺到。
八重樫容疑者は５月の逮捕後から歌舞伎町のバーなどで働き始め、そこにもファンの少女たちが詰めかけるようになった。
八重樫容疑者は別の「トー横」の有名メンバーと併せて、「トー横四天王」とも呼ばれていた。

自身のSNSにコメントしてきた少女の中でルックスの良い子を見つけると、八重樫容疑者は自ら連絡。
学校や家に居場所がなく、『トー横』に憧れを抱いている地方在住の少女はとくにターゲットになりやすかったようだ。前出の佐々木氏が続ける。

「私は八重樫容疑者からレイプ未遂の被害を受けた14歳の少女を取材した経験がありますが、彼女も地方に住んでいて『トー横』に憧れを持っていました。SNSに『トー横に行ってみたい』と投稿すると、八重樫容疑者から『案内してあげる』と連絡があったそうです。そして、今年６月に新宿で初めて会い、ビジネスホテルで関係を迫られた。彼は『俺、ロリコンなんだよね』と笑っていたと言います。必死に抵抗したことでレイプは未遂に終わりましたが、彼女はこの事件以来、『トー横』には近づけなくなってしまいました」

未成年を食い物にする八重樫容疑者の手口は卑劣(ひれつ)だが、そんな男に憧れる少女が多数存在しているのも由々しき事態だ。警視庁は見回りを強化するなど、対策を進めている。