〈パパ活の悪質化が止まらない。昨年9月には川崎市内でパパ活を装い呼び出した30代男性を恐喝し、車など112万円相当を奪ったとして、女子高生ら6人が逮捕された。他にも窃盗や詐欺まがいの事件は後を絶たない。その中でも最新の手口である「頂き女子」の実態について、歌舞伎町屈指の有名キャバクラ『ジェントルマンズクラブ』で働く現役キャバ嬢兼漫画家の桜アスナ氏が明かすーー〉

歌舞伎町に、複数の男性から3億円以上の現金を貢がせている女性がいることをご存知だろうか。

20代前半の風俗嬢・Aさんは、風俗の客から店を通さずに現金を貰う「裏引き」やマッチングアプリで知り合った男性から高額を貢がせ、億単位の金を手に入れていた。
消費者金融で借金をして首が回らなくなるまでAさんに貢ぎ、パンクした男性が何人も出るほどだったので、パパ活女子達の間ではカリスマ的な存在として注目を集めている。

今回紹介する「頂き女子」とは、Aさんのように特定の対価を支払わずに多額の現金を貢がせる女性たちのことを指す。
Aさんは裏引きこそするものの、肉体関係を持つことやデートさえすることなく、現金を貢がせていた。
「頂き女子」という言葉を創作したのもAさんだ。さらに3年ほど前から、ネット上で自身の“頂き方”のマニュアルの販売を開始。パパ活女子たちはこぞって買い漁った。

マニュアルの中身はとてもよくできていて、ターゲットの「おぢ」と呼ばれる中年男性から現金を貢がせるまでのプロセスが細かく書かれている。
カネを頂く対象は同級生や家族を含め、自分が知っている連絡先全ての男性であるというから驚いたものだ。

男性を骨抜きにする「マニュアルの中身」
一体どうやって多額の現金を頂くのか。その方法は「本気で恋させること」だ。マニュアルでは友達や恋人がおらず趣味もない男性をターゲットにするように書かれている。優しく思わせぶりな連絡をマメにすることで、他に興味のあるものがない「おぢ」は、頂き女子のことを考える時間が生活の大半を占めるようになり、本気で恋をし、精神的に依存して、一緒に家庭を築く将来を本気で夢見るようになってしまうという。しかもその間、頂き女子は「子宮の病気だ」などと言って、体の関係は持たない。

現金を貢がせるのは恋愛感情を醸成しきった後だ。頂き女子から「借金があって死にたい」という病んだ連絡が届くようになる。すると「おぢ」は何とか助けたいと話を聞き、金を渡してしまう。頂き女子の言葉を盲目的に信じ込み、一度も会うことなく、現金を振り込む男性もいるという。

数万程度の少額でも渡してしまうと、それで終わらずに「実は他にも言えない借金があって返さないと一緒にはいられない」などと付け込まれ、次第に何十万も振り込むようになる。恐ろしいことに渡した金額が多額になるほど、男性は後には引けなくなってしまい、関係を切らないようにするためにさらに金を振り込むという状態に陥ってしまう。

もちろん借用書を準備したり身分証を提示するように要求する男性もいるが、頂き女子は普通に借用書を書き身分証を見せるという。当然、「金を返してほしい」と言われたり、「詐欺だ！」と警察に駆けこまれることが予想されるが、頂いた後もマメに連絡をし続けることによってトラブルにはならないとAさんのマニュアルにはある。

Aさんは現在も月に1000万円以上を男性から貢がせている時があるが、そのほとんどは歌舞伎町のホストクラブに消えている。ホストに全てを貢ぐために家はなく、ホテルで暮らして携帯電話が止まってしまっていたこともあるという。カネは天下の回りもの、と言うが頂き女子が得たカネもまた歌舞伎町を周回しているのである。