フィリピンで拘束の男に大金届ける…交際女性が日本と行き来、1度に2000万円も
関東など各地で相次いだ強盗事件を巡り、フィリピンで拘束されている男4人のうち渡辺優樹容疑者(38)と交際していた日本人の女が、日本から多額の現金を持ち出し、渡辺容疑者に渡していたことが捜査関係者への取材でわかった。
2019年3月から7か月間で日本とフィリピンを少なくとも7回行き来し、1度に2000万円を渡したこともあったという。
女は東京都内在住で29歳だった19年11月、高齢者からキャッシュカードを盗んだとする窃盗容疑で大阪府警に逮捕され、20年10月に1審・大阪地裁で懲役4年6月の実刑判決を言い渡されている。
捜査関係者や1審判決によると、女は「実業家」を名乗る渡辺容疑者と19年3月にマニラで知り合い、交際を始めた。
直後から、「口座が不正使用されている」などと言って高齢者らをだます特殊詐欺グループのメンバーとやりとりし、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」で偽名のアカウントを使って「受け子」や「出し子」を勧誘。19年4月には2000万円を渡辺容疑者に届けていた。
同年6月には、フィリピンから帰国した翌日に大阪に向かい、盗品のカードで不正に引き出した現金の回収役から549万円を受け取り、東京で別の人物に手渡していた。
公判で、女側は「関与は薄い」と主張したが、1審判決は「グループが犯罪収益を確実に回収することに貢献し、重要な役割を果たした」と判断した。