長野4人殺害 青木容疑者、自殺できず母親に撃ってもらおうと銃渡すも母親は銃受け取り逃げ出す
長野県中野市で男女4人が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された農業青木政憲容疑者(31)が、立てこもっていた現場で自殺しようとし、銃を母親に渡していたことが29日、分かった。
自殺しようとしたができず、一緒にいた母親に撃ってもらおうと銃を渡した。母親は銃を受け取って逃げ出し、近くの路上に置いたという。
県警はまた、被害者4人がいずれも失血死だとする司法解剖結果を発表。
青木容疑者に撃たれたとされる中野署の警察官2人のうち、助手席の玉井良樹警部補(46)には刺し傷もあり、これが致命傷だったと明らかにした。青木容疑者が発砲後に刃物で襲ったとみられる。
最初に撃たれた運転席の池内卓夫巡査部長(61)には銃創しかなかった。竹内靖子さん(70)、村上幸枝さん(66)はいずれも刺し傷が複数あった。
捜査関係者によると、青木容疑者が「(女性2人から)『独りぼっちだ』と言われたので刺した」との趣旨の供述をしたことも判明。
女性2人と青木容疑者の間に目立ったトラブルは確認されておらず、一方的に恨みを募らせて強い殺意を抱いたとみている。
青木容疑者は25日夕、竹内さんを自宅近くで最初に襲い、村上さんを百数十メートル追いかけて刺した上、通報でパトカーで駆け付けた池内巡査部長らに向け、運転席の窓ガラス越しに発砲したとされる。その後、近くの自宅で立てこもった。
現場では午後7〜8時台に発砲音が相次ぎ、同8時半ごろに母親が逃げ出し、保護されていた。
青木容疑者は県警と父親の説得を受け、約12時間後の26日早朝に外に出てきて身柄を確保された。
「射殺されると思ったので、警察官も殺した」とも供述している。
県警は、玉井警部補を警視に、池内巡査部長を警部に2階級特進させたと公表した。