覆面男が生放送中のキャスターを投げ飛ばす、ジョージアで政治家や記者への襲撃が横行 「旧ソ連で最も民主的」な国で何が
※激しい暴力行為をとらえた映像が含まれています。視聴にあたり、予めご了承ください。
ジョージアの首都トビリシで、野党寄りのテレビ局の女性キャスターが生放送中に覆面をした男性グループに襲撃された。
同国では最近、政府がロシアからの影響を受けているとして反発が広がる中、野党政治家やジャーナリスト、活動家らへの攻撃が相次いでいる。
この防犯カメラ映像では、野党政治家が覆面をした複数の男性に蹴られていた。被害者のコバ・ハバジ氏は、最大野党「変革のための連合」の著名政治家。党本部が入っている建物内で襲撃され、頭部に重傷を負った。
野党政治家 コバ・ハバジ氏
「もちろん、攻撃の背後には政府がいる。自由や民主主義、人権を病的に恐れる、異常な政府だ。政府は暴力で成り立っている。暴力や暴政は、自由や民主主義と共存しない」
ジョージア当局は攻撃への関与を否定し、暴力を非難した。
ここ数週間、トビリシでは警察とデモ隊の間で激しい衝突が発生。デモ隊らは、10月の議会選で不正行為があったと訴えている。政府は2028年までEU加盟交渉を停止すると発表し、抗議は拡大している。
EU加盟交渉停止に反対するデモでは、400人以上が逮捕された。テリシビリさんの息子もその1人だ。
6日、自宅前に7台のパトカーが到着し、息子ジョルジさんは連行されたという。もう1人の息子は1992年、国民運動の集会で亡くなった。
マリーナ・テリシビリさん(75)
「息子が集会に行ったことは否定できない。1992年2月2日に亡くなった兄弟を、しのぶためだったからだ。息子はジョージアの国民運動、独立、自由のために戦い、犠牲になった。息子のジョルジは現状を受け入れられていないのだ」
人権団体や地元メディアによると、ジョルジさんは「集団的な暴力」に参加したとして、2カ月間の拘束を命じられた。有罪の場合、最長6年の懲役刑を科される可能性も。
こうしたデモ参加者への広範な取り締まりは、約2週間続いている。人権団体は今回の弾圧について、近年のジョージアでは前例がないと指摘した。同国はこれまで、旧ソ連構成国では西側寄りで民主主義的とみなされていた。